人財作り研究会(2008年ー2009年)
趣旨
1)現状認識
現下の世界は、政治、エネルギー、環境、人口、グローバリゼーションでの問題が産出し、またそれらは様々に絡み合う、それこそ人類史上何回目のパラダイム・シフトに直面している。この時の最大の問題は当該の人や社会がいかに迅速にパラダイム・シフトを達成できるかであり、それは高度の専門性と同時に高い教養(徳)をもつイノベートな人を作るかということにもなる。なお、ここでの人財づくりとは高度の専門性と同時に高い教養をそなえた人づくりを指している。世界各国ともこの人財づくりという課題に直面しているが、日本産学フォーラム内でもこれまで、イノベートな人をもたらす教育については議論を重ねてきた。
「注:人材とは人間を物とし、また知識やスキルを物質化。それに対して人財は人間を精神を持つ人、そしてイノベートする人は専門性も必要であるがより高い心(教養)を有するもの。イノベートは機械としての人間ではなく、精神を持つ人間が行うもの。」
2)今回の研究課題の範囲:人財づくりにおけるギャップの問題(企業と大学と政府、そして大学院生)
前述のように、本フォーラムの関心事はイノベートな人をもたらす教育にあるが、今回の研究課題は、そのなかでの人財づくりにおけるミスギャップの問題を取り上げる。上記のように、日本が直面しているパラダイム・シフトをいかに迅速に行うためには、それぞれの部門で高度の専門性と高い教養(徳)を有するリーダー、つまり博士号をもつ訓練をされた人財づくりが必要になる。ただ、残念ながら既存の大学ではこれらの体制、問題意識、価値観が乏しく、課題解決のためには産業界、政府、学界、学生、また、海外関係者との価値を共有する体制づくりが必要となる。このため、これまでに出された報告書等をもとに、研究会において何が問題かを洗い出し、それに対する産学官の協働のステップが可能かを議論し、提言する。
研究会委員名簿
(平成20年10月現在)
座長(産) | 南 直哉 | 東京電力株式会社 | 顧問 |
座長(学) | 白井 克彦 | 早稲田大学 | 総長 |
副座長 | 宮田 隆司 | 名古屋大学 | 副総長 |
副座長 | 田辺 孝二 | 東京工業大学大学院 イノベーションマネジメント研究科 | 教授 |
丸山 剛司 | 内閣官房 | 内閣審議官 内閣官房宇宙開発戦略本部事務局・局長代理 | |
舘 逸志 | 内閣府 | 内閣府大臣官房審議官(経済財政運営担当) | |
相澤 益男 | 総合科学技術会議 | 議員 | |
藤原章夫 | 文部科学省 | 高等教育局専門教育課長 | |
谷 明人 | 経済産業省 | 産業技術環境局大学連携推進課長 | |
続橋 聡 | 社団法人日本経済団体連合会 | 産業第二本部長 | |
有信 睦弘 | 株式会社 東芝 | 顧問 | |
川上 潤三 | 株式会社日立製作所 | 代表執行役執行役副社長 | |
小松 利行 | キヤノン株式会社 | 取締役 企画本部副本部長 | |
野間口 有 | 三菱電機株式会社 | 取締役会長 | |
村木 茂 | 東京ガス株式会社 | 常務執行役員 | |
小山 正之 | 第一生命経済研究所 | 代表取締役社長 | |
永野 博 | 政策研究大学院大学 | 教授 | |
岡部 洋一 | 放送大学 | 副学長 | |
加藤 豊 | 法政大学 | 常務理事 | |
武田修三郎 | 早稲田大学 | 教授(日本産学フォーラム事務局長) | |
オブザーバー | 今井 環 | 日本放送協会 | 理事 |
開催履歴
第1回研究会:平成20年11月7日
第2回研究会:平成21年1月28日
第3回研究会:平成21年4月23日